2010年11月10日水曜日

17:緊急避難その3

緊急避難その2でようやく下のようなポジションまで来ました。


レート:97.00

ポジ:買:100.00× 2枚(-60000円)
      98.00× 5枚(-50000円)
      97.00× 3枚(-  0円)
   売: 97.00×10枚( 0円)※同値撤退ストップ付  

損益:-110000(別に確定益10000円)



これで、買の平均レートは98.1まで下がりました。

98円まで反発すれば-10000円、確定益が別途10000円の実質0ですね。
 
ここまでくればお気づきでしょうが、同値撤退ストップ付きの売で、

最高値の買ポジを外し、平均レートを下げていく。その繰り返しです。



長所は

・損が増えないので精神的にらく。

・資金の減りを幾分か抑えられる。

などの点が挙げられ、負けない戦略としては有効かと思いますが、

他方、欠点として、

・レートが反発に転じない限り、解消できない。

・枚数のコントロールが難しい。

・同値撤退に何度もひっかかる場合がある

・スプレッド、スワップの資金目減りは避けられない(実質の損切りと同じ)

・精神的に楽な分、体力と時間が必要

といった点が挙げられます。ですから本当に、作戦ミスをしたときのための、

あくまで「緊急避難」と考えてくださいね。

16:緊急避難その2

緊急避難その1では、下記のところまで来ました。


レート:98.00

ポジ:買:100.00×5枚(-100000円)

損益:-100000


この状態から、買を5枚、同値撤退覚悟の売を10枚追加します。


レート:98.00

ポジ:買:100.00× 5枚(-100000円)
      98.00× 5枚(    0円)
   売: 98.00×10枚(    0円)※同値撤退ストップ付  

損益:-100000



これの狙いは、買の平均レートを引き下げることにあります。


ここから、99円にあがれば、売の98円はストップで解消されており、


買ポジは理論上0円で救出することができます(スプレッド除く)。


では、97円に下落した場合を考えましょう。



レート:97.00

ポジ:買:100.00× 5枚(-150000円)
      98.00× 5枚( -50000円)
   売: 98.00×10枚( 100000円)※同値撤退ストップ付  

損益:-100000



ここでは、売の98円10枚を使って、買100円の3枚を相殺します。



レート:97.00

ポジ:買:100.00× 2枚(-60000円)
      98.00× 5枚(-50000円)
   売: 98.00× 0枚(  0円)※同値撤退ストップ付  

損益:-110000(別に確定益10000円)



一時的に損が膨らみましたが、売98円10枚の確定益が10000円ありますね。

さらにここで、買いを3枚追加し、同値撤退覚悟の売を10枚追加します。

15:緊急避難その1

緊急避難として両建てを使ったポジ相殺方法を記しておきます。

筆者は両建て自体を推奨はしません。あくまで緊急避難措置として

どうしようもなくなった時だけ自己責任において使用してください。

※計算上、手数料、スプレッドは無視しますね。



レート:100.00

ポジ:買:100.00×10枚

損益:0円



とします。ところが予測に反してレートは下落、



レート:99.00

ポジ:買:100.00×10枚(-100000円)

損益:-100000円



となったとします。ここで、同値撤退覚悟の売を入れます。



レート:99.00

ポジ:買:100.00×10枚(-100000円)

   売:099.00×10枚(    円)※同値撤退ストップ付

損益:-100000



これで、これ以上損が膨らむのは止められますね。

この状態で、レートが99~100のレンジにいる間は動きません。

次のタイミングは、レートがどちらかに1円動いた時です。

仮にレートが98になったとしましょう。



レート:98.00

ポジ:買:100.00×10枚(-200000円)

   売:099.00×10枚( 100000円)

損益:-100000



となりました。ここで売の10枚を使って、買の5枚を相殺します。



レート:98.00

ポジ:買:100.00×5枚(-100000円)

   売:099.00×0枚(    0円)

損益:-100000



これで含み損は変わりませんが、ポジを減少させることができました。

14:単利と複利

「FXでたくさんのお金を稼ぎ出したい」

そう願うのは人の性として仕方のないことです。

とはいえ、焦って分不相応なトレードをしては

儲けるどころか大やけどをしてしまいます。


よく言われる話として「複利の力」を有効に使って

資産をぐんぐん増やそうというのがありますが、注意が必要です。


確かに、儲けたら儲け分を資金に再投入し、

取引量を増やしていくのは一見理にかなっているようにみえます。

ですが、複利の力が発揮されるのは「元本割れがない」時です。

元本が割れなければ、

1円でも10円でも

元本を増強していくことで、みるみる利が乗っていきます。


ですが、FXは勝率100%ということはありませんから、

元本割れのリスクは常にありますね。

しかも純粋に複利運用で取引量を増やしていくということは、

常に儲けが0に戻るというリスクも抱えることになります。



人間は儲けより損の方がショックが大きいことを考えれば、

ある程度連勝してから、負けた時のショックは深刻になります。

しかも資金も0に戻ってますから、

人によっては再スタートすら厳しいかもしれません。

早く儲けたいという気持ちは十分に理解できますが、

まずは資金は一定として単利運用し、

儲けた分は出金してしまい、資金力を強固にしましょう。

くれぐれも焦りは禁物です。

13:お金の力と戦う

プロスペクト理論で立証されている通り、

人間は膨らみ続ける含み損には目を背ける一方、

含み益に対しては失いたくないと利益確定を先走る傾向があります。

この傾向が「FXの勝者はわずか1%」ととも言われる所以です。


これを克服するのは至難の業です。ですが、逃げてはいられません。

本物のお金の話になると途端にメンタルが弱くなってしまうのが

人間ということであれば、ひとつの手立てとして


「お金の動きは見ない」


という手法も有効です。


業者の取引画面で損益の表示を付箋で隠し、

獲得pipsだけに集中する、

というやり方を取っている方もいます。

賢い選択だと思います。


また、筆者の知人はFXの専業トレーダーですが、

彼はトレード中はまったく損益をみません。


一度、彼のトレード現場を見せてもらったことがありますが、

パソコンのチャートを全画面表示させ、

注文用に取引業者のレート画面だけ小さく表示させているだけ。

損益が分かる部分はどこにもありませんでした。


「お金の動きを見るとルールを守れなくなる」


というのが彼の持論です。


世の中には、たくさんの情報を持つことが勝利への近道と思い、

パソコンやモニタを多数並べて相場と戦っている人が多くいますが、

ことお金に関しては、あえて情報を遮断することで、

うまく立ち回れる例もありそうです。

12:レバレッジと時間

実はレバレッジと「時間」は深い相関関係にあります。

高レバレッジは値動き自体が早く小さくても、 

時間を圧縮して取引しているのです。

逆に低レバレッジは値動きが遅く大きくい分、

時間を十分に使って取引しているのす。


そういう視点で、資金をリスクに晒しているという点だけでみると、

高レバレッジで短時間のトレードも

低レバレッジで長時間のトレードも

意味合いは同じなのです。



ですが、多くの方が


高レバ短時間を「ギャンブル」と呼び

低レバ長時間を「投資」と呼びます。

違いは何か? 


「耐える」点にあります。



高レバ短時間は耐えることがありません。

欲望のまま、

戦略もなしにがつがつトレードしている例がたくさんあります。

それも「ギャンブル」と割り切っているなら問題はありませんが、

恐いのは次第に欲望に支配され、

借金をしたり、

生活資金を投入したり

見境がなくなってくる危険があるからです。


逆に低レバ長時間スタイルは「待つ」のが主です。

含み益が出ているポジションを育てるためには、

とにかく、反転して損するかもという恐怖心と戦い、

じっと耐えなくてはなりません。


この待つ、耐えるという修練が、実はトレードでもっとも大切です。


大きく勝つにはいずれの局面でも「耐える力」が要求されます。



人生は限られており、時間を無駄に使うべきではありませんが、

ことトレードにおいては、

なるべくポジションを長く持つ訓練を積んだ方が後々役に立ちます。

11:レバレッジの功罪

絶対損切りラインQ円と前日安値高値を使うという性質上、

筆者のトレードスタイルではレバレッジに神経は使いません。


ですが、Q円に対し、手持ち資金が極端に少なかったり、

スキャルピングに挑んだりする場合には

どうしてもレバレッジの力を使う必要がでてきます。


筆者は資金が少ない際に、レバレッジを使って

一定の枚数を確保するにはあまり問題ないと思います。

資金が少ないということは、

お金の重力自体が小さく、

たとえ負けて全額失っても傷は比較的浅いからです。

(証拠金が規制される前はレバレッジ100倍超の業者が大半で

数千円から数万円を元手に、

まさにゲーム感覚で参戦している方が多数いましたが、

これはこれで構わなかったと思います)



ですが、ある程度まとまった資金を運用する時に、

早くお金を手に入れたいからといって焦るあまりに

高いレバレッジで大量に枚数を保有するのはお勧めしません。



かつて50万円の証拠金で200枚を取引した経験がありますが、

値動きで換算すると

1銭2万円、10銭で20万、1円で200万円ですから、

わずか25銭逆行するとロスカットです。


もはやテクニカルもへったくれもなく、チャート張り付きで

プラスになったら即利益確定しようと必死でした。



レバレッジは一気に儲けるための手段ではなく、

資金を効率的に運用する手立てとして使い、

功罪両面を持つ「両刃の剣」だということを頭には入れておきましょう。

10:ポジショニングその2

損切りラインQ円を決め、前日高値安値をチェックして

ポジション枚数を決めるところまできました。

もちろんチャートをみて、テクニカル分析をして、

買いか売りかエントリするポイントは決めておきます。



ここで、ドル円を例におさらいも含めて順を追ってみていきましょう。

【例】

ドル円は昨日、高値101円を付けた後、反落し、ニューヨークでは

安値99円50銭を付けて引けました。その後、東京市場から

じわじわと値を上げて、現在は100円です。

テクニカル分析の結果「買い」でエントリすることにします。

ちなみに絶対損切りラインQ円は5000円です。



さて、ここで数式化すると

損切りQ円=(現在値-安値(あるいは高値))×枚数×10000

ですから、

5000円=(100-99.50)×枚数×10000

となりますね。

5000円=0.5枚数×10000

で、当たり前ではありますがトレード枚数は1枚となります。



「枚数少ない」とお思いかもしれませんが、

不慣れな段階で心理的に負担が掛からないトレードをするには、

こうしたリスク軽減措置を取っていくことで、

生存確率を高めていく必要があります。



仮にこの段階で、レバレッジが10倍を超えているようであれば、

1000通貨や100通貨で取引できる業者がありますので、

レバレッジを10倍以下に落とすよう心掛けた方が無難です。

9:ポジショニングその1

ここでは、絶対的基準による「損切りラインQ円」に対し、

日々どうトレードしていけばよいかを考えていきましょう。

主にデイトレードを中心に話を進めますが、

スイングトレードでは前日を前週と読み替えてくださいね。



まずは前日の高値と安値をチェックしてください。

日計りが原則の大口投機家は、順張り派、逆張り派双方とも

この安値と高値の外に損切りラインをおいています。


彼らは他人の金を運用している以上、

一般投資家よりも損得に敏感です。

明確なトレードルールがあって、

それを破ることは許されないのです。



その彼らが足掛かりとするのは、直近の安値と高値です。


買い手は高値更新を狙って、売り手の損切りラインを狙い

売り手は安値更新を狙って、買い手の損切りラインを狙う


それが、チャートがジグザグを形成する理由です。




さて、損切りラインQ円に話を戻しましょう。


買いで臨むとすれば、損切りは前日の安値の直下においてください。


売りで臨むとすれば、損切りは前日の高値の直上においてください。



そして、現在のレートからQ円分足した値が損切りラインを内包するよう

に計算してポジションを取っていきましょう。

8:資金運用の注意点

資金管理術その2では、損切りラインQ円について考えました。

Q円は、同じくその1で触れた運用上の「最小単位」でもあります。

「最小単位」を出発点として資金運用の注意点をみていきましょう。



ここではなじみの深いドル円のロング(買い)を例に話を進めます。

ドル円の1日の値幅はおおよそ50銭~1円50銭程度です。

(値幅については通貨ごとに特徴があり注意してください。

各業者でヒストリカルボラティリティとしてデータが提供されています)

さて、トレンドに乗った順張りトレードであれば、前日同時刻比で

1日50銭ほど円安ドル高が進行していれば、まず思惑通りです。



気を付けなくてはいけないのは、ロンドン、NYのオープン&クローズや

各種、経済指標による乱高下です。とくに政策金利発表や雇用統計では、

瞬間的に円単位で値が飛ぶこともあります。

ただ、こうした「時間が分かっている動き」は

対策を事前に講じておけば損失は回避できます。



厄介なのは、一見動く理由がない見当たらない「平場」での仕掛けです。

仕掛けた動きに追随する動きがなかったり、

仕掛けた側が狙ったストップロスが発動しなかったりすれば、

一瞬飛んだ値動きもいずれ元の動きに戻っていきます。

要は瞬間最大風速さえしのげば、ポジションを守ることができます。

この時の値動きが損切りラインQ円内に収まるように、

コントロールしていくのです。

7:絶対損切りライン

少し心理テストをしてみましょう。


「あなたは財布を落としてしまいました。

どこで落としたのか、まるで見当がつきません。

幸いにも身分証やクレジットカードは入れていません。

入っていたのは純粋にお金だけです。

それも全財産入れていたわけではないので、

あなたはすっぱりあきらめることにしました」


さて、ここで質問です。


「その財布にはいくら入ってましたか」


10円、1000円、5000円、10000円…。

いろいろな答えがあると思いますが、仮に

答えをQ円としましょう。



さて、そのQ円が、あなたの「金銭的損」に対しての

許容できる絶対的基準です。つまり、損切りラインです。



損切りラインを資金総額の●%と相対的に設定するのでは、

少額のうちは抵抗がなくとも、額が大きくなるにつれ、

「ここで損切りしなくてもちょっと我慢すれば戻るかも」

などと、心理的なためらいが生まれます。

ためらいや迷いは、プロスペクト理論に否応なく絡め取られ、

含み損をずるずる拡大させる泥沼化への一歩です。



損切りラインQ円は資金がいくらあろうが関係ありません。

お金に対する個々人の「器」あるいは「格」です。結局、

だれしも「器」「格」を偽ることはできません。

自分を知らなければ敵に勝てないと孫子も言ってましたね。

器や格は鍛えていくことができるものなので、

最初は小さくても徐々に大きくしていけば問題ありません。

6:資金管理の基本

負けないFXの実践のために欠かすことができないのが

「資金管理術」です。

資金はFXを戦争と想定すれば、自国の保有兵力です。

兵力も管理せずに戦略・戦術は組み立てられません。

そして、ろくな戦略・戦術もなく戦場に立つ者が

どういう末路をたどるかは火を見るより明らかです。



管理方法自体は人によっていろいろな見方がありますが、

筆者はプロスペクト理論の呪縛に掛からないよう、

最小単位から全体を組み立てていく手法をおすすめします。



ここでいう最小単位とは「躊躇せず損切りできる額」です。

その設定額は、よく資金の1%~2%といわれますが、

「そのぐらいであれば立て直しが可能だ」というだけで、

明確な根拠があるわけではありません。



だいたい、1%で設定するとしても、

資金1000万円場合の損切り額10万円

資金10万場合のの損切り額1000円

これがイコールでしょうか? 相当な訓練を積まなければ

たとえ資産が1億円あっても、

10万円の損切りを機械的に処理できるようにはなりません。


資産に対しての1%、という相対的な基準であっても、

それとは別に日常生活上の「お金の絶対的な基準」があり、

それが人間の心理を乱すのです。



お金を冷静に扱うには段階的なトレーニングを積むか、

お金をお金として扱わない図太い精神が必要です。



よく、悪銭身に付かずと言われるように、

ギャンブルで稼いだお金があっというまに無くなったり、

デモトレードでは資金を増やせるのに実践では増えなかったり、

というのは、まさにこの点の認識が甘いのです。


宝くじで1億ドル当たったはいいが、その後の人生が悲惨なほど、

狂ってしまう人と根源的な部分で一緒です。

5:時間軸設定

FXブームのおかげで、ひと昔前とは比べ者にならないほど、

無料で便利なチャートツールが増えました。

日足以下のチャートでも、8時間、4時間、1時間、30分、

15分、10分、5分、1分などなどユーザー任意の時間軸で、

好きなようにみることができます。



ですが、便利になり選択肢が増えるということは、

どれを使ったらいいのか分からない迷いも生じさせてしまいます。

チャートの見方としては、

・大きな時間軸で大局を見て、

・中程度の時間軸で方向感を見て、

・小さい時間軸でエントリポイントを探す。

となりますが、気を付けなければいけないのは、イグジットの方で、

特に予測と逆行した場合です。その時、一番最悪なのが

・小さい時間軸では、サポート割れたけど、

・中程度の時間軸では、まだサポート未達だし、

・大きな時間軸では、まだまだ思惑通りの動きだ

と逃げてしまい、損切りを遅らせてしまうことです。


これはプロスペクト理論で説明できる人間の弱さなのですが、

ここではマシンになりきる必要があります。



繰り返しになりますが、

慎重を期して、より小さな時間軸で分析することは有効ですが、

損失に臆して、より大きな時間軸に逃避することは危険です。

メインの軸を定めたら、その軸での損切りを徹底させるのが大切です。

4:チャートの秘密

チャートからは

通貨ごとの値動きの癖や

日々の変動幅が如実に読みとれますが、

ひとつ注意すべきことがあります。



みなさんはフラクタル図形というのをご存じでしょうか?

ある図形について、

一部分と全体像が相似状になっているもの

を指します。



詳述は割愛しますが、

正三角形の中に正三角形を書いて、

その正三角形の中にまた正三角形を書いて、

と繰り返していくと、

大きい正三角形の中に理論上は無限に小さい正三角形ができますが、

この正三角形同士は相似ですよね。

こういう図形をフラクタル図形といいます。



実はFXや株などのチャートもフラクタル図形です。

たとえば日足のチャートと5分足のチャート、

ぱっとみでは、どちらがどっちと区別つきませんよね。

いずれもジグザグしていて、そっくりです。



これがどういうことを意味するかというと、

各種テクニカルツールは時間軸に左右されない、

ということです。

5分足で使っても1時間足で使っても

元々使えるツールはそのまま使えます。



ただし横軸の値幅の部分は、

時間軸が短くなればなるほど少額になってきますから、

一時的な仕掛けによる変動を受けやすくなります。



チャートの時間をどこみればいいのか、

と悩んでいる方も多いと思いますが、

チャートはフラクタル図形で基本原理は共通だが、

短い時間足ほどノイズを拾いやすいという点だけ注意してください。

3:テクニカル分析の限界

テクニカル分析は有益な道具ですが、未来を予測することはできません。

ですので、どんな優秀なツールであっても予測が外れてしまうことを

常に想定していなくてはいけません。



むしろ生き延びていくには、予測の精度を上げることに時間を割くよりは、

万一に備えた脱出方法をいくつも用意しておくことの方が大切です。

ところが、テクニカル分析(の楽しさ)にはまってしまうと、

精度を上げることに夢中になって、

「MACDの期間設定は13.5.8がいい」

「移動平均は240日が最強」

「ボリンジャーバンドは14日より21日がいい」などといった


パラメータ調整のドツボにはまってしまう恐れがあります。


こうした調整作業は、究極的には勝率100%を導いてしまいます。

いわゆる「カーブフィッティング」です。


仮にそこまでいかなくても、テクニカルツールのパラメータ調整は

「ダマシ」と呼ばれるノイズとの戦いです。ノイズを除去していけば、

エントリ回数が減ったり、利益幅が小さくなったりします。



逆にノイズ覚悟でエントリを増やせば、損切りが増えたり、一時的にせよ、

莫大な含み損を抱えたりします。つまり、正確さを求めれば汎用性がなくなり

汎用性を求めれば正確さを欠く、このジレンマとの果てしなき戦いです。



そんなジレンマに苦しむよりは、過去を分析するテクニカルには限界があり

万能ツールはないと割り切って相場に臨みましょう。

2:テクニカル分析の優位性

テクニカル分析が、有効か無効かという議論がよく交わされますが、

まるで不毛な議論だと思います。


テクニカルの各種ツールは、

すべてが、過去の値動きを記録したチャートに還元されます。

いいかえれば、テクニカル分析は

「チャートから今後の動きを統計と確率で考えてみよう」

というだけのことで、それ以上でもそれ以下でもないからです。



ちょうど、チャートは大学入試の過去問題集みたいなものですね。

過去問題集を(テクニカルのように)分析しておけば、

傾向と対策をつかめて来年の入試にも役立つ、というのと一緒です。

むしろテクニカル分析の優位性はそこにしかありません。



ですから、分析結果を徹底重視して

「ここ5年間は微分積分が出題されていないから微積は捨てる!」

と、ヤマを張るのは構いませんが、本当に出題されないかどうかは

そしてうまくいくか痛い目に遭うかは当日まで分かりません。



相場では、過去のチャート実績に基づき、確率の高い方を選択して

ポジションを建てていきます。とはいえ、あくまで確率ですから、

統計上、100万分の1の確率であっても、その分子の1が、

実際に起きてしまったらどうしようもありません。そこからは、

固執せず、いかに上手く相場から撤退するかに集中しましょう。

1:テクニカル分析概論

テクニカル分析をまったく知らない方はいないと思います。 

チャートの軌跡から今後の値動きを予測しようという考え方です。

書籍やネット上で、さまざまなツールが開発、紹介され、

実際、精度の高い予測を提供してくれるものもたくさんあります。


こまかく詳細を記すのは割愛させていただきますが、

基本的には、

・流れを把握するのに優れたトレンド系ツール

・一定期間内の過熱感を測るためのオシレーター系ツール

といった「時系列系統」2種類に加え、

・幾何学的なパタンから予測するツール

・高値、安値に注目したツール

といった時間の概念を無視した「非時系列系統」があります。


どのツールにも一長一短があり、万能型というものはありません。

多くのテクニカルアナリストは、複数のツールを組み合わせて

分析しており(もはや古典に入るのかもしれまでんが、

代表的な例ではMACD+ストキャスティクスなど)、

相場の動きに合わせてツールがもたらす情報を取捨選択してます。



筆者の経験上、あるツールでぜんぜん儲けられなかったといって、

次々乗り換えていくよりは、ツールの意味を十分に理解した上で、

使い込むのが一番だと思います。

13:追証は不可

預かり証拠金が不足すると、FX業者からは

「追加の証拠金を納めないとロスカットされますよ」

とお知らせが来ます。いわゆる「追証」です。


ポジションを保有し続けたいので、

慌てて銀行などから振り込みをするわけですが、


決して追証には応じてはいけません。


遅いかもしれませんが、そこで決済するべきです。

全決済はできなくともポジションの枚数を減らす方を選択すべきです。



追証は戦争でいえば、戦況が悪くなったので増派する、

ということと同じです。

既に派遣されている部隊を助ける意味で大義名分があるようですが、

アメリカ軍が、アフガンやイラクの戦地に増派して、

果たして戦局は好転したでしょうか?

効果がまるでないとはいえませんが、

泥沼状態を収拾したとは言い切れません。


アメリカ軍は世界的な発言力と国際上の立ち位置を守るため

無理な戦争を続けましたが、

みなさんがアメリカと同じように負け戦を続ける理由はありません。

トレードを続けていくには、大事な兵力(=資産)を守りましょう。



また、追証に応じて、含み損のあるポジションを抱え続けることは

資金の回転効率を極端に悪化させ、

来るべきチャンスの時に身動きが取れない

という事態を招いてしまいます。

負けたと思ったら傷の浅いうちに撤退するのが鉄則です。

12:悪いエントリ

よく見極めた上でのエントリと損切りが徹底されていれば、

逆張りでも順張りでも大差はないといいましたが、

悪いエントリについても触れておきます。


避けた方がとにかく無難なのは、ロウソク足がぴこぴこ動く、

つまり荒れている時です。非常に上手な方は、

荒れている時こそ稼ぎ時とばかりにじゃんじゃん参戦していきますが

戦場でいえば、激しい撃ち合いの中に飛び込んでいくようなもので、

生き延びるためには動物的な勘が要求され、

慣れない人はまず撃ち殺されてしまいます。



また、荒れ相場では、業者のスプレッドが極端に開いたり、

脆弱なサーバに約定拒否されたりといった、

システム的な危険もあります。



荒れ相場に参加すると、脳内ではドーパミンがドバドバ放出されて

鼓動が早くなり、興奮してだんだんハイテンションになってきます。

攻撃的になり、欲が強くなりますので、勝てばさらにトレードを続け、

負ければそれをを取り返そうと躍起になり、

さまざまなルールを破り始めます。



チャートを見ていても、自分に都合のよい解釈しかしなくなり、

逆行すると、普段は使っていないテクニカルツールを引っ張りだして、

自分の思惑に合致するようパラメータを調整したりします。



資金が枯渇してようやく我に返った時にはとてつもない後悔が襲ってきて

ハイテンションから一気にローテンションに叩き落とされてしまいます。

荒れ相場には近付かないのが懸命です。

11:順張りか、逆張りか

トレンドに従うの流れに乗ってポジションを建てるのが順張り、

トレンドのピークアウトを狙って、

総強気に売り、総弱気に買いを建てていくのが逆張りです。


一般的には

・順張りは時間がかかるが大きく利が取れる

・逆張りは短時間で小利を稼げるが損切りしないと含み損が膨らむ

と言われていますが、筆者から見ればどちらも違いはありません。


強いて言うならば、相場と向き合う時間が少ないのであれば、

素早いイン&アウトが不可欠な逆張りは難しいかなという程度です。


なぜ順張りと逆張りになぜ違いがないか、というと

結局は、どちらに振れるか「見極め」の違いに過ぎないからです。

たとえば

100円→99円→98円→99円→100円

とV字で値が動いてきました。非常にざっくりとしてますが、

ここで順張り派でしたら基本的には買いでしょう。

そして逆張り派でしたら原則的には売りでしょう。

厳密には今のロウソク足の終値や次の始値を見てから、

という諸条件はあると思いますが、

どちらにも一応はエントリーするだけの正当性がありますよね。



さて、ここからは両者とも「恐怖心」との戦いです。

ともに思惑の方向と少しでも逆行すれば、

順張り派は「やはりレンジ相場で99円を目指すかも」と怯え、

逆張り派は「ブレイクアウトだったか?101円か?」と震え、

損をしたくないというプロスペクト理論の下僕となります。



はっきりいえば、この後、99円なのか、101円なのか、

それは誰にも分かりません。

確率の高い方高い方を選択していって、

損切りラインに達したら間違っていたと素直に切るだけです。

9:00数字の仕掛け

損切りラインや利益確定ラインを

キリの良い「.00」に設定しているケース多いと思います。

実はあまりお勧めしません。


「.00」数字は、市場参加者のみんなが注目している数字です。

よく、為替関連のニュースで

「79円、80円と上がってきた豪ドル円が81円を意識し始めた」

などと書かれていることをみると思います。

ここで意識しているということは、そのレベルに、

注文が固まることを意味します(オプションを含めて)


「売り続けたけど、81円になったら損切りしよう」

「81円になったら日足がブレイクアウトだから買おう」

「逆張りで底値拾ってきたけど81円で利益確定しよう」

「81円になるとオプションで損するからとにかく売ろう」

「81円になるとオプションで儲けるからとにかく買おう」

などなど。思惑はさまざまです。


ですから、81円手前、80.90円台後半で凄まじい攻防を演じたり、

と思いきや、81円超えたら81.30円までストーンと上昇したり、

意外と「.00」でピタリと値が止まるということはないものです。



最悪なのは「.00」ラインを挟んでのジグザグの出入り

何度も続くことで、精神衛生上も非常に良くありません。

最終的には「損切りしなきゃ良かったのに~」と悔しい思いをして、

「もう損切りしない」と誤った手法への扉を開けてしまう、

そんなケースも少なくはありません。


「資産が1円でも増えれば勝ち」という考え方を徹底して、

「.00」の前後では余裕を持った動きとることをお勧めします。

8:損切りライン

「損切り貧乏」という言葉があります。

少しでも含み損が出ると、決済してしまい

いっこうに利が乗らない。それどころか、

じわじわと資金を漸減させてしまうことを指します。


深刻な悩みではありますが、損切りできずに、

含み損を肥大化させていくより、まだましな感じもします。



損切り貧乏の場合、基本的には二つの見立て違いを起こしてます。

ひとつは相場の読み間違え、もうひとつは損切りラインの設定ミスです。


相場の読み間違えは、たいがいフライングエントリに起因します。

順張り派の方が、値が動き始めて「チャンスだ!」と慌てて飛び乗り、

その後、失速→損切りというパターンですね。

ブレイクアウト狙いであれば、長期トレンドをサポートラインとし、

押し目狙い(短期的には逆張り)で構える余裕が欲しいところ。



もうひとつの損切りラインの設定ミスですが、

値動きに対して、ポジションが多いか、レバレッジが高すぎる

といったケースが散見されます。


仮に「1万円で損切り」と決めていても、

1枚であれば1円の値動き、10枚であれば10銭の値動き、

100枚であれば、わずか1銭の動きで狩られてしまうことになります。

資金が少なければ少ないほど、損切りの影響は甚大です。



資金を減らさず、生き延びていくには、

無謀なレバレッジや分不相応なポジションは避けなくてはなりません

7:投機と実需

相場の上げ下げによる利ざやを稼ぐ投機と違い、

輸出企業によるレパトリや商品代金の支払いなど

いわゆる「実需」には利益確定がありません。



利益確定がない、ということは、

相場が偏ったままで放置されるということです。

一方向に放置される相場に逆張りで臨むと、

どういう結末になるか、想像に難くないと思います。

損切りを繰り返すか、

莫大な含み損を抱えるか、そのいずれかです。



一方向に突っ走り始めた相場は止まりません。

実需が作った流れに投機が便乗するからです。

大口の投機家は最初に流れを作った注文主が誰なのか、

それを知っています。

6:外為の季節変動

気温の変化が、朝昼晩の一日単位を繰り返しながらも

徐々に最低最高を更新して四季の移ろいを刻んでいくように、

FXにも季節的な要因があります。

必ずそうなるとは限りませんが、そうした動きを知っていれば

無謀なポジションを取る確率が減りますよね。



注目すべきものの一つとして企業決算期と会計年度があります。

会計年度は各国でバラバラなのですが、

日本はイギリス、カナダ、インドと同じ4月~翌年3月。

ドイツ、フランス、そして中国は1月~12月。

アメリカは10月~翌年9月ですね。



なぜこの会計年度を気にすべきかといいますと、

この会計年度末に向かって通貨の流動性が高まるからです。

もう少し詳しくみましょう。



世界各地で稼ぎを挙げ、海外投資を展開している日本企業は、

決算が近くなると、外貨を円に戻します。

これがレパトリエーション、本国環流です。「円転」とも呼ばれます。

日本の輸出企業では、3月末と9月中間決算に向けて円転します。

外貨を売り円を買う、つまり市場で円の需要が高まり、

決算前の2月、8月当たりの円高傾向を生みます。



こういった季節変動要因を知らずにいると、

2月にドルの長期保有で臨んで痛い目に遭うということはなくなります。

円転のようなパターンは、国債、投資信託、企業決算集中時の株価など

いろいろなシーンでみることができますので、季節的要因として

おさえておきましょう。

5:プロスペクト理論

プロスペクト理論は、行動経済学で用いられる言葉です。

欲に対する人間の弱さを突いた鋭い考え方であり、

1970年代後半にカーネマンとトベルスキーという心理学者が提唱しました。



ここで理論の詳細は記しませんが、端的に言えば

「1万円の儲けより1万円の損に人はより深く傷つく」

ということになります。これがどういうことを意味するかですが、

「損を確定させたくないので、ずるずると含み損が膨らむ」

「本当は3万円の利益を狙ったが、恐くなって1万円で妥協した」

などの結果を生んでしまうということです。



こうした考え方が、多くの人間の行動パターンに刷り込まれており、

しかもそれは、ほぼ無意識で実践されます。



コツコツと利益を積んでも、ドカンと大きい損を出してしまう。

投資をしていれば、誰しも一度はそういった経験あると思います。

それはまさにプロスペクト理論、人間の本能がもたらす必然といえます。

ですから、多くのFX関連書籍では、このプロスペクト理論に克つために、

損切りの徹底やマイルールの厳守を促しているのです。



本能を抑え込むのは理性です。



徹底的に訓練した理性をもって、冷静に相場に向かう。

それが、生き延びる道の一歩です。

4:1勝9敗のからくり

投資の世界ではよく「損小利大」が原則と言われます。

それは仮に「1勝9敗」でも、9回の損は極力小さくして、

1回の勝ちを極大にすればいいという考え方です。



この考え方を否定はしません。



否定はしませんが、実践するのは難儀なことです。

たとえば、資金100万円、含み損1%で損切りとしましょう。

ここで9敗して1勝というパタンを検証してみると、

9回連続で負けて10回目に収益をプラスにするには、

1回の勝ちで約8万6500円を儲ける必要があります。



しかも、これでようやく収支トントンです。

加えて、資金の目減りは保有ロット数減少も意味します。

建玉が少ない上に大きな利を得るには時間が掛かります。



極端ではありますが、上記条件で50万円で1枚とします。

すると最初は2枚ですが、10回目の時、ロットは1枚ですね。

1枚で8万6500円を得るには8円65銭の値動きが必要です。

さて、為替が9円近い動きを見せるのに何ヶ月かかりますか?


 
1勝9敗が語る真実は、実は9敗することを許してはいません。

「そのぐらいの勝率でも儲け続けられるロジックを持て」

「そのロジックは確実に遂行せよ」

ということです。戦略・戦術の重要性を説いているだけなのです。

3:負けないこと

勝とうと勝とうと必死になれば、欲望がでます。

欲が出ると正常な判断ができなくなります。

 勝負ごとの世界で冷静さを見失った者の末路は明かです。

ですが「投資=お金を増やしたい」という欲を持ちながら、

「1回ごとの勝負では欲を捨てる」というのは矛盾しています。

では、どういう心構えを持てばいいのか。


「トータルで負けないこと」です。


野球で考えてみましょう。

リードしている試合は勝てるように努力します。当然ですね。

では、リードされている試合、これも逆転できるように努力しますが、

ここでは見極めが大切です。



逆転したいからと焦る余りにリリーフにエース級を注ぎ込み、

代打には負傷している選手もじゃんじゃん送り込みます。

それでは勝てても明日以降の選手の組み立てがメチャクチャです。

しかも、逆転に失敗すれば目も当てられません。



もうダメだと見切ったら撤退することに全力を注ぎましょう。

よく敗戦処理投手といって若手がマウンドに送られることがあります。

この時、名監督は本当に処理だけを託しているわけではありません。

この投手が腐らず、きちんと追加点を許さない投球をするかどうか、

その心構えを見ているのです。



負け試合でもただ負けはしない。何かを得る。

そういう思考がトータルで勝つ、つまり優勝をたぐり寄せてくると思います。

2:生き残るためには

筆者が考える投資で生き残るための王道は一つです。

「資金を減らさない」。それだけです。

当たり前のことかもしれませんが、意外と徹底されていません。

もちろん、トレード1回毎に資金を減らすな、ではありません。

それは神業です。


スキャルピングであれば時間単位

デイトレードであれば日単位

スイングトレードであれば週ないし月単位

ポジショントレードであれば月ないし年単位


それぞれで決算として締めることです。ポジションを持ち越すのであれば、

収益がマイナスにならない位置にストップを置き、利益確定してください。

(筆者は税金の関係もあるので年単位をおすすめしますが)

その過程で、大きな勝ちを逃がしたり、負けが続いたりしても、

気にすることはありません。

1:なぜ勝てないのか

FX(外国為替証拠金取引)が生まれてから10年超。

ネットの拡大とともに個人トレーダーを爆発的に増やしました。

ですが、安定して儲け続けている人はごく少数です。

大半の方が市場の肥やしとなって、資金を呑み込まれています。


なぜ勝てないのでしょう?


 「なんとなくエントリーしている」

 「損切りができない」

 「もうちょっと利を伸ばしたいと耐えていたら反転した」

 「利が乗ると恐くなって利益確定してしまう」


などなど、理由はさまざまでしょう。


立て続けに負けると人は「次こそは」と心に秘めて、

書店やネットをめぐり、血眼になって、勝てる方法を探し続けます。

そこでようやく「これだ!」というモノにめぐりあっても、それは一時。

いずれ、また負け続けてしまいますよね


はっきりしているのは一つ。


「絶対の必勝法」というのはこの世に存在しません。


ですから、必勝法を探すのは「聖杯」を探すのと同様に不毛なことです。

「え、でも儲け続けている人がいますよ」

反論の声が聞こえてきそうですが、それは運と確率で説明できます。

儲け続けている人は必勝法で儲けているわけではありません。

運が良ければ100戦でも10000戦でも勝ち続けることはありえます。

ですがそれは所詮、運です。

勝ち続けている人とは、常に確率の高い方を選択して勝利し、

たとえ負けるにしても被害を最小限に食い止める手立てを知っているのです。

重要なのは「勝つため」ではなく、「負けないため」なのです。